• 9月 27, 2026

ゼーゼー・ヒューヒューという音がするとき|横浜駅西口直結の呼吸器内科専門医が解説

「夜、横になると胸のあたりでヒューヒューと音がする」「深呼吸すると、自分でもゼーゼーいっているのが分かる」「家族に『息をするとき音がしているよ』と言われた」

この音は喘鳴(ぜんめい)と呼ばれます。多くの方が最初に思い浮かべるのは喘息ですが、喘鳴が出る原因は喘息だけではありません。そして、音が鳴るタイミングと場所によって、考えるべき方向が変わります。

この記事では、ゼーゼー・ヒューヒューという音が何を示しているのか、呼吸器内科でどう切り分けるのかを整理します。

空気の通り道が狭くなると、そこを通る空気の流れが乱れ、音が生じます。笛やストローで音が鳴るのと同じ原理です。つまり喘鳴は、気道のどこかが狭くなっているというサインです。

気管支を輪切りにした断面の模式図。ふだんの気道は壁が薄く内側が広いのに対し、狭くなった気道では壁が厚くなり痰がたまり、空気の通り道が狭くなっていることを比較して示している。
通り道が狭くなると空気の流れが乱れ、ゼーゼー・ヒューヒューという音が生じます。構造を分かりやすく示した模式図です。

手がかりになるのは、息を吸うときに鳴るのか、吐くときに鳴るのかという点です。

息を吐くときに鳴る場合

胸の奥のほう、気管支から先の細い気道が狭くなっているときに起こりやすいパターンです。喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの軽症から中等症の発作を示唆する所見です。夜間から明け方に強くなる、季節の変わり目に出やすい、運動のあとに出るといった特徴を伴うことがあります。

息を吐くときと吸う時に両方鳴る場合

重症の喘息発作を示唆する所見であり緊急性を伴う場合が多いです。

息を吸うときに主に音が鳴る場合

のどや気管といった、太い通り道が狭くなっているときに起こりやすいパターンです。吸いはじめの瞬間からゼーという明らかに苦しそうな音の場合は緊急性が高く、異物や喉頭浮腫(アレルギー)による窒息を考える必要があります。また、患者がチョークサイン(自分の首に手を当てて苦しがる様子)が見られた場合は一刻を争うことになり即座に救急要請をする必要があります。

喘息では診察室では鳴っていないことも多い

喘鳴は、症状が出ている時間帯に聴診しなければ捉えられません。夜間や明け方に強く出る方が日中に受診された場合、聴診では何も聞こえないことがよくあります。そのため、音が聞こえなかったことは「問題がない」という結論にはなりません。呼吸機能検査や呼気ガス検査、呼吸抵抗検査などで気道の状態を数値として確認する必要があります。

ゼーゼーするからといって、喘息とは限らない

喘鳴が出る状態には、喘息以外にもいくつかあります。心不全で肺に水分がたまり喘鳴として聞こえることがあり、これは治療の方向がまったく異なります。声帯の動きの問題、気道の腫瘍、まれに誤嚥した異物が関わることもあります。喘息として吸入薬を続けていたものの、実際には別の原因だったという経過をたどることがあるのは、この区別が症状だけではつかないためです。

放置した期間が結果に関わる

喘息では、気道の炎症が続いた状態が長引くと、気道の壁が厚く硬くなる変化(リモデリング)が進むことが知られています。喘鳴が出る時期と出ない時期を繰り返しているうちに、年単位で気道の状態が変わっていくことがあります。

呼吸器内科では、聴診と問診に加えて、呼吸機能検査で気道の狭さを、FeNO検査で気道にタイプ2炎症(好酸球性炎症)が関わっているかを、胸部X線やCTで肺と気道の形を確認し、これらを突き合わせて原因を整理していきます。

  • 呼吸機能検査:息を吸って吐く力を数値化し、気道が狭くなっていないかを確認します
  • FeNO検査:呼気に含まれる一酸化窒素を測定し、気道の炎症の関与を確認します
  • 胸部X線・CT:肺の状態に加え、気道の形や心臓の大きさも評価の対象になります
  • 血液検査:アレルギーの関与、好酸球の状態、心臓の負荷を示す項目などを組み合わせます

これらを院内で実施しており、受診されたその日のうちに結果をもとにした説明までお伝えできる体制を取っています。喘息と診断された場合には吸入薬による治療を基本とし、症状が落ち着かない場合には重症喘息外来で、生物学的製剤(ゾレア、デュピクセント、ファセンラなど)を含む選択肢を保険適用の条件とあわせてご説明します。心臓の精密な評価や、喉頭の詳しい観察が必要と判断した場合には、適切な医療機関へおつなぎします。

当グループには複数の院に呼吸器専門医が在籍しており、判断の難しい画像所見や治療方針については、グループ内で検討したうえでお伝えしています。

こんな症状があれば受診をお勧めします
・息をするときにゼーゼー・ヒューヒューという音がする
・夜間や明け方に音が強くなる、咳で目が覚める
・かぜのあと、音と咳だけが数週間続いている
・運動や冷たい空気で音が出る
・喘息と診断されて治療中だが、音が出る日がある
・喫煙歴があり、痰や息切れも伴う

次の場合は、その日のうちに医療機関を受診してください。
・息を吸うときに音がして、苦しさを伴う
・会話が途切れる、横になれないほど息苦しい
・唇や指先の色が悪い
・足のむくみを伴い、夜間に息苦しくて目が覚める

ゼーゼーするのは喘息ということですか?

喘鳴の原因として喘息は頻度の高いものですが、それだけではありません。COPD、感染後の気道過敏、心不全、声帯の動きの問題なども同じような音として現れます。治療の方向が変わるため、呼吸機能検査や画像検査で区別したうえで判断します。

受診したときには音が止まっていました。意味はありますか?

意味があります。喘鳴は出ている時間帯が限られることが多く、診察時に聞こえないのは珍しいことではありません。いつ・どんなときに鳴るかを伺うことが手がかりになりますし、呼吸機能検査やFeNO検査は症状が出ていない時間帯でも気道の状態を評価できます。

市販の咳止めで様子を見てもよいですか?

市販薬は症状をやわらげる目的のもので、気道が狭くなっている原因そのものに働きかけるものではありません。服用している間は楽になり、やめると戻るという経過をたどっている場合、原因が手つかずのまま残っている可能性があります。喘鳴を伴う場合は一度調べておくことをおすすめします。

横浜でゼーゼー・ヒューヒューを診てもらえますか?

横浜フロントクリニックでは、呼吸器専門外来で喘鳴の評価に対応しています。呼吸機能検査・FeNO検査・胸部X線・CTを当日実施でき、結果の説明まで同じ日のうちに進められます。横浜駅西口から直結です。

横浜フロントクリニック
〒221-0835 神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町1-41
THE YOKOHAMA FRONT 3F
TEL:045-577-0121

横浜駅西口から直結。通勤・通学の途中やお勤め帰りにもお立ち寄りいただきやすい立地です。

井上 哲兵(いのうえ てっぺい)医師

医療法人社団南州会 フロントクリニックグループ 理事長 / 医学博士 / 日本呼吸器学会 呼吸器専門医
2019年4月に医療法人社団南州会 理事長に就任。
現在は4院の呼吸器専門クリニックを擁するフロントクリニックグループを運営。

【保有資格・所属学会】
緩和ケア研修会修了医
医学博士
日本内科学会認定内科医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
日本医師会認定産業医
厚生労働省認定 臨床研修指導医
身体障害者福祉法第15条指定医(呼吸器)
難病指定医(呼吸器)

参考資料

  • 日本アレルギー学会『喘息予防・管理ガイドライン2024』
  • 日本呼吸器学会『COPD診断と治療のためのガイドライン2026〔第7版〕』
  • 日本循環器学会/日本心不全学会『急性・慢性心不全診療ガイドライン』
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