• 9月 30, 2024

喘息と肥満の関係性について

今回は、当法人理事長の井上が執筆しました、『ぜんそくと診断されたら読む本』から『喘息と肥満の関係性』について切り抜いてお伝えしたいと思います。

以下、『ぜんそくと診断されたら読む本』の本文です。

驚く人もいますが、肥満もぜんそくを引き起こす一つの要因として考えられています。肥満の人は体内に炎症を引き起こす物質が多く存在し、これが気道の炎症や狭窄を招きます。私のクリニックでは、ぜんそくの患者で肥満体質の人に対しては、体重の10~15%の減量を目指すよう指導しています。

血液検査や呼吸器機能検査などでそれほど悪い数値結果が出ていないのに、ぜんそくコントロールがうまくいかない場合や、増量した薬の効果が期待どおりでない場合、肥満が影響している可能性が高いためです。ぜんそくの薬を増やすだけでなく、体重もコントロールすることでぜんそくの悪化を防いでいきます。

肥満がぜんそくを引き起こすメカニズムについては、脂肪細胞が分泌する「レプチン」という物質に関連しています。レプチンが増加すると、好酸球の活動が活発化し、その結果、気道の炎症が促進され、気道が狭くなるのです。さらに、肥満によるお腹のふくらみは横隔膜を押し上げ、物理的に呼吸機能を低下させる原因にもなります。肥満が原因でぜんそくが引き起こされている場合は、適切な減量をすることで気道の炎症は治まり、ぜんそく症状も改善されることが期待できます。

肥満はぜんそくに影響を与えるだけではなく、脂質異常や糖尿病の発症を高めるなど健康上のリスクを多数抱えています。健康を守るためにも、適切な食事制限や体重コントロール、適切な運動を日常生活に取り入れることが重要です。肥満を解消することはぜんそくの症状を改善するだけでなく、より健康で快適な生活を実現する第一歩となります。

当院は神奈川県横浜市にある内科クリニックです。
横浜駅直結の横浜フロントタワー内 3階にございます。
呼吸器診療を得意としており、長引く咳や喘息でお困りの患者様は是非、横浜フロントクリニックにご相談ください。


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