• 9月 30, 2024
  • 4月 27, 2025

喘息と肥満の関係性について

今回は、当法人理事長の井上が執筆しました、『ぜんそくと診断されたら読む本』から『喘息と肥満の関係性』について切り抜いてお伝えしたいと思います。

以下、『ぜんそくと診断されたら読む本』の本文です。

驚く人もいますが、肥満もぜんそくを引き起こす一つの要因として考えられています。肥満の人は体内に炎症を引き起こす物質が多く存在し、これが気道の炎症や狭窄を招きます。私のクリニックでは、ぜんそくの患者で肥満体質の人に対しては、体重の10~15%の減量を目指すよう指導しています。

血液検査や呼吸器機能検査などでそれほど悪い数値結果が出ていないのに、ぜんそくコントロールがうまくいかない場合や、増量した薬の効果が期待どおりでない場合、肥満が影響している可能性が高いためです。ぜんそくの薬を増やすだけでなく、体重もコントロールすることでぜんそくの悪化を防いでいきます。

肥満がぜんそくを引き起こすメカニズムについては、脂肪細胞が分泌する「レプチン」という物質に関連しています。レプチンが増加すると、好酸球の活動が活発化し、その結果、気道の炎症が促進され、気道が狭くなるのです。さらに、肥満によるお腹のふくらみは横隔膜を押し上げ、物理的に呼吸機能を低下させる原因にもなります。肥満が原因でぜんそくが引き起こされている場合は、適切な減量をすることで気道の炎症は治まり、ぜんそく症状も改善されることが期待できます。

肥満はぜんそくに影響を与えるだけではなく、脂質異常や糖尿病の発症を高めるなど健康上のリスクを多数抱えています。健康を守るためにも、適切な食事制限や体重コントロール、適切な運動を日常生活に取り入れることが重要です。肥満を解消することはぜんそくの症状を改善するだけでなく、より健康で快適な生活を実現する第一歩となります。

当院は神奈川県横浜市にある内科クリニックです。
横浜駅直結の横浜フロントタワー内 3階にございます。
呼吸器診療を得意としており、長引く咳や喘息でお困りの患者様は是非、横浜フロントクリニックにご相談ください。

文責:医療法人社団南州会 理事長 井上哲兵

経歴

2003年浅野高校卒業
2009年聖マリアンナ医科大学医学部卒業
2009年4月~2011年3月同大学病院研修医
2011年4月~2015年3月同大学呼吸器内科診療助手兼同大学内科(呼吸器)大学院
2015年4月~2018年3月同大学呼吸器内科助教
2018年4月~2019年3月独立行政法人国立病院機構静岡医療センター呼吸器内科医長
2019年4月医療法人社団南州会理事長/聖マリアンナ医科大学非常勤講師
2019年8月三浦メディカルクリニック院長
2024年5月横浜フロントクリニック開院
資格・役職

医学博士
日本内科学会認定内科医
日本呼吸器学会呼吸器専門医
日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医
日本医師会認定産業医
厚生労働省認定臨床研修指導医
身体障害者福祉法第15条指定医(呼吸器)
難病法における難病指定医(呼吸器)
緩和ケア研修会修了医
アレルギー舌下免疫療法適正使用管理体制に基づく講義の受講・試験の修了医

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