• 8月 23, 2025
  • 8月 24, 2025

その咳、本当に風邪ですか?咳のRed Flags(危険なサイン)に当てはまったらすぐに呼吸器専門クリニックに受診が必要です!

2から3週以上咳が続いている場合はCTなどを含めた精密検査が必要と言うことはご存じの方も多いかもしれませんが、では2週未満であった場合はどうでしょうか?実は2週間未満であった場合でも即座にCTを含めた画像検査が必要とされる状態、いわゆるRed Flags(危険信号!)と言うものがガイドラインで示されていますので共有したいと思います。

咳のRed Flags(日本呼吸器学会 咳嗽・喀痰の診療ガイドライン第2版2025より引用)

  • 血痰
  • 45歳以上の喫煙者で咳が新たに、または変調したか、あるいは発声障害が出現したか
  • 55歳から80歳で30Pack/years以上の喫煙歴があり禁煙から15年以内
  • 特に安静時や夜間の呼吸困難
  • 顕著な嗄声(声枯れ)
  • 全身症状として発熱、頻呼吸、体重減少、体重増加を伴う浮腫
  • 飲食時の嚥下障害
  • 激しい嘔吐
  • 繰り返す肺炎
  • 咳嗽期間と矛盾しない呼吸器身体所見や胸部画像異常(レントゲン異常)

上記がRed Flagsとして定められています。分かりやすいものから分かりにくい表現まで入っており判断に迷うことがあるかもしれませんが、ポイントとしては、咳単独ではなく、咳+血痰(肺がんや気管支拡張症、MAC症、肺結核などを想定)、咳+体重減少(肺がんを想定)、咳+喫煙歴(COPDを想定)、咳+発熱(肺炎を想定ただし、鼻炎症状が合併する場合は上気道炎の可能性を想定)、咳+体重増加を伴う浮腫(心不全を想定)、咳+激しい嘔吐(マイコプラズマや百日咳などの非定型肺炎)、咳+繰り返す肺炎(器質化肺炎などの間質性肺炎)などの強い咳+何らかの諸症状があれば呼吸器内科で精密検査を受けることをお勧めいたします。また、単に強い咳だけ、または風邪かなと思って一般内科を受診されたとしても、3日から5日程度で改善傾向に向かわなければ呼吸器内科への受診をお勧めいたします。当法人は全てのクリニックで即日CT撮影が可能です。ぜひご相談ください。

執筆者情報

井上 哲兵(いのうえ てっぺい) 医師
医療法人社団南州会 理事長/医学博士
日本呼吸器学会 呼吸器専門医

2009年に聖マリアンナ医科大学医学部を卒業後、同大学の研修医・呼吸器内科を経て、国立病院機構静岡医療センターにて呼吸器診療の研鑽を積む。

2019年4月に医療法人社団南州会 理事長に就任。
同年8月に三浦メディカルクリニックを開院し、以降も以下のクリニックを展開。

  • 横浜フロントクリニック(2024年5月開院)
  • 東京品川フロントクリニック(2026年1月開院予定)
  • 目黒区分院(2026年9月開院予定)
  • 新宿区分院(2027年12月開院予定)

【保有資格・所属学会】

  • 医学博士
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本呼吸器学会 呼吸器専門医
  • 日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
  • 日本医師会認定産業医
  • 厚生労働省認定 臨床研修指導医
  • 身体障害者福祉法第15条指定医(呼吸器)
  • 難病指定医(呼吸器)
  • 緩和ケア研修会修了医

横浜フロントクリニック 045-577-0121 ホームページ