- 10月 16, 2026
いびき・日中の眠気は睡眠時無呼吸症候群?|横浜の呼吸器内科が検査と治療を解説
「いびきがうるさい、ときどき息が止まっている」とご家族に言われた。しっかり寝たはずなのに朝から頭が重く、日中の会議や運転中に強い眠気に襲われる。こうした症状を「疲れているだけ」「年齢のせい」と考えて、そのままにしていないでしょうか。
その背景には、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が隠れていることがあります。SASは眠っている間に起きるため、ご本人が気づきにくい病気です。一方で、高血圧や心臓・血管の病気、居眠り運転による事故との関係が知られており、早めに見つけておく意味の大きい病気でもあります。
この記事では、SASが起こる仕組みと、自宅でできる検査から治療までの流れを、横浜の呼吸器内科の立場から解説します。
いびきや日中の眠気が起こる理由
眠っている間に、のどの空気の通り道がふさがる

SASの多くは「閉塞性睡眠時無呼吸」と呼ばれるタイプです。眠ると、のどの周りの筋肉がゆるみ、舌の付け根が下がって空気の通り道(上気道)が狭くなります。狭くなった部分を空気が通るときの振動がいびきで、完全にふさがると呼吸が止まります。
10秒以上呼吸が止まる状態を「無呼吸」、呼吸が浅く弱くなる状態を「低呼吸」と呼び、1時間あたりの回数(AHI:無呼吸低呼吸指数)で重症度を判定します。
- AHI 5以上15未満:軽症
- AHI 15以上30未満:中等症
- AHI 30以上:重症
呼吸が止まるたびに、脳が目を覚ましている
呼吸が止まると血液中の酸素が下がり、体は呼吸を再開させるために脳を短く覚醒させます。ご本人に目が覚めた自覚はなくても、深い睡眠が何度も途切れるため、長く寝ても疲れがとれません。日中の眠気、起床時の頭痛、集中力の低下、夜間に何度もトイレに起きるといった症状は、ここから生じます。
太っていなくても起こる
肥満は大きな要因ですが、それだけではありません。日本人は顔の骨格的にあごが小さく、のどの空間が狭くなりやすい傾向があると言われています。扁桃の大きさ、鼻づまり、寝る前の飲酒、加齢による筋力の低下も影響します。「痩せているから違う」とは言い切れません。
なぜ専門医への受診が必要か
放置すると、体への負担が積み重なる
呼吸が止まるたびに酸素が下がり、交感神経が興奮して血圧が上がります。これが毎晩くり返されることで、高血圧(特に薬を飲んでも下がりにくい高血圧)、心房細動などの不整脈、心不全、脳卒中、糖尿病との関連が報告されています。健診で血圧を指摘されている方で、いびきもある場合は、SASの確認をおすすめします。
眠気は、仕事や運転の安全にも関わる
SASのある方は、ない方に比べて交通事故を起こす危険が高いことが報告されています。車を運転する仕事の方、毎日自家用車を使う方は、ご自身のためにも周りのためにも、眠気を軽く考えないことが大切です。
呼吸器の病気と重なっていることがある
喘息やCOPDとSASが合併していると、夜間の息苦しさや咳の原因の切り分けが難しくなります。また、睡眠中の低酸素は肺や心臓に負担をかけます。いびきや眠気だけでなく、咳や息切れもある方は、呼吸器全体を診られる医療機関で評価を受けることに意味があります。
検査から治療までの流れ
SASの診断は、睡眠中の呼吸の状態を記録して行います。多くの方は、自宅で行える検査から始められます。
1. 問診と眠気のチェック
いびきや無呼吸の様子、日中の眠気、血圧などの持病を確認します。日中の眠気は、エプワース眠気尺度(ESS)という質問票で点数化します。ご家族が見ていた様子も大切な情報になるため、可能であれば一緒に聞いてきてください。
2. 自宅でできる簡易検査
指先と鼻などにセンサーをつけて、普段どおり自宅で一晩眠っていただきます。呼吸の止まり方と血液中の酸素の状態を記録し、AHIを推定します。痛みはなく、入院の必要もありません。
3. 精密検査(PSG:終夜睡眠ポリグラフ検査)
簡易検査の結果だけでは判断がつかない場合は、脳波なども同時に記録する精密検査を行います。睡眠の深さや、本当に眠っている時間の中で何回呼吸が止まっているかを正確に評価できます。この検査も入院は必要ありません。ご自宅で検査が可能です。
4. CPAP(シーパップ)療法
中等症から重症のSASに対する治療の中心がCPAPです。寝るときに鼻にマスクをつけ、一定の圧で空気を送り込むことで、のどがふさがるのを防ぎます。健康保険が適用されるのは、主に次の場合です。
- 簡易検査でAHIが30以上
- 精密検査(PSG)でAHIが15以上
保険でCPAPを使う場合は、原則として定期的に受診し、使用状況や効果を確認しながら続けていきます。費用は3割負担で月5,000円前後が一般的です。
CPAP以外の選択肢
軽症から中等症の場合は、歯科で作る口腔内装置(マウスピース)が選択肢になります。また、体重の管理、寝る前の飲酒を控えること、横向きで寝る工夫なども、重症度によっては効果が期待できます。どの方法が合うかは、検査の結果と生活背景をふまえて相談しながら決めていきます。
横浜フロントクリニックで対応できること
当院は横浜駅西口直結の呼吸器内科です。SASを「いびきの病気」としてだけでなく、呼吸と全身の健康の問題として診ています。
- 呼吸器専門医による診察:いびき・眠気・夜間の息苦しさを、呼吸器全体の視点から評価します
- 自宅でできる簡易検査:入院の負担を抑えて検査を始められます
- 自宅でできる精密検査(PSG):入院の負担を抑えて検査を始められます
- CPAP療法の導入と継続管理:使用状況を確認しながら、圧やマスクを調整します
- 合併症の確認:喘息・COPDの有無を呼吸機能検査で、高血圧などの生活習慣病を内科で確認します
フロントクリニックグループには呼吸器専門医が30名規模で在籍しています。グループ内で診断や治療の考え方を共有しているため、一人の医師の経験だけに頼らない、一貫した診療を受けていただけます。
受診の目安・タイミング
こんな方はご相談ください
・家族にいびきや呼吸の停止を指摘された
・十分寝ても日中に強い眠気がある
・運転中や会議中に眠くなることがある
・朝起きたときに頭痛やのどの渇きがある
・夜中に何度もトイレに起きる
・血圧の薬を飲んでいても血圧が下がりにくい
・喘息やCOPDがあり、夜間の症状が気になる
特に、運転中にヒヤリとした経験がある方は、早めの受診をおすすめします。
診療時間・アクセス
横浜フロントクリニック
〒221-0835 神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町1-41 THE YOKOHAMA FRONT 3F
横浜駅西口から直結
診療時間:月〜土 9:00〜12:30/14:00〜18:00
休診日:日曜・祝日
※受付は診療終了の30分前まで
TEL:045-577-0121
土曜日も診療しています。お仕事帰りやお買い物のついでにもお立ち寄りいただけます。

よくある質問
Q. いびきをかく人は、みんな睡眠時無呼吸症候群ですか?
いびきがあっても無呼吸を伴わない方もいます。ただし、いびきに加えて呼吸の停止を指摘されている、日中に強い眠気があるといった場合は、SASの可能性を考えて検査を受けることをおすすめします。
Q. 検査のために入院が必要ですか?
多くの場合、まずは自宅で一晩眠りながら記録する簡易検査から始められます。簡易検査で判断がつかない場合に、精密検査(PSG)を検討します。
Q. CPAPは保険が使えますか?
簡易検査でAHIが40以上、または精密検査でAHIが20以上の場合などに健康保険が適用されます。保険でCPAPを使う場合は、定期的な受診で使用状況を確認しながら続けます。
Q. 痩せていても睡眠時無呼吸症候群になりますか?
なることがあります。あごの骨格、扁桃の大きさ、鼻づまり、飲酒、加齢による筋力の低下なども原因になるため、体型だけでは判断できません。
まとめ
睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間にのどがふさがり、呼吸が止まることをくり返す病気です。日中の眠気や疲れだけでなく、高血圧や心臓・血管の病気、交通事故との関係が知られています。自宅で行える簡易検査から始められ、結果に応じてCPAPなどの治療を選んでいきます。
いびきや日中の眠気が気になる方は、横浜フロントクリニックまでご相談ください。
参考資料
執筆者情報
井上 哲兵(いのうえ・てっぺい)
医療法人社団南州会 フロントクリニックグループ
理事長/医学博士
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
2019年4月に医療法人社団南州会 理事長に就任。現在は4院の呼吸器専門クリニックを擁するフロントクリニックグループを運営。
フロントクリニックグループ一覧
- 三浦メディカルクリニック
- 横浜フロントクリニック
- 東京品川フロントクリニック
- 自由が丘フロントクリニック(2026年9月17日開院)
- 新宿区分院(2027年12月開院予定)
【保有資格・所属学会】
- 緩和ケア研修会修了医
- 医学博士
- 日本内科学会認定内科医
- 日本呼吸器学会 呼吸器専門医
- 日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
- 日本医師会認定産業医
- 厚生労働省認定 臨床研修指導医
- 身体障害者福祉法第15条指定医(呼吸器)
- 難病指定医(呼吸器)