• 6月 27, 2026

あなたの喘息はコントロールできている?ACTスコアで確認する5つの質問を専門医が解説

喘息のコントロール状態は、患者さん自身が自覚している感覚と、実際の気道の状態が一致しないことがあります。「発作がないから問題ない」と思っていても、気道には炎症が残っていることがあります。

そこで活用できるのが「ACTスコア」です。5つの質問に答えるだけで、自分の喘息コントロールの状態を数値で把握できるツールです。この記事では、ACTスコアの使い方と、スコアから何がわかるかを解説します。

ACT(Asthma Control Test)は、喘息のコントロール状態を評価するための質問票です。過去4週間の症状・吸入薬の使用頻度・日常生活への影響などを5つの質問で評価し、合計25点満点でスコアを出します。

日本アレルギー学会の喘息予防・管理ガイドラインでも活用が推奨されており、世界的に広く使われている評価ツールです。医師との診察前に記入しておくことで、より正確な状態の共有ができます。

以下の5つの質問に、それぞれ1〜5点で回答します(5点が最も良好な状態)。

Q1|日常活動への影響

過去4週間に、喘息のせいで職場・学校・家庭での活動が妨げられたのはどのくらいの頻度でしたか?
5点:まったくなかった / 4点:週1〜2回未満 / 3点:週3〜4回 / 2点:ほぼ毎日 / 1点:毎日

Q2|息切れの頻度

過去4週間に、息切れを起こしたのはどのくらいの頻度でしたか?
5点:まったくなかった / 4点:週1回以下 / 3点:週3〜4回 / 2点:毎日1回以上 / 1点:1日に何度も

Q3|夜間・早朝の症状

過去4週間に、喘息の症状(咳・息切れ・喘鳴・胸の圧迫感など)のせいで夜中に目が覚めたり、朝通常より早く目が覚めたりしたのはどのくらいの頻度でしたか?
5点:まったくなかった / 4点:週1〜2回未満 / 3点:週1〜2回 / 2点:週3〜4回 / 1点:週4回以上

Q4|発作止め薬の使用頻度

過去4週間に、発作止め薬(気管支拡張薬)を使用したのはどのくらいの頻度でしたか?
5点:まったく使わなかった / 4点:週1〜2回以下 / 3点:週3〜4回 / 2点:毎日1〜2回 / 1点:毎日3回以上

Q5|コントロール状態の自己評価

過去4週間に、自分の喘息をどのくらいうまくコントロールできていたと思いますか?
5点:完全にコントロールできていた / 4点:だいたいコントロールできていた / 3点:ある程度コントロールできていた / 2点:あまりコントロールできていなかった / 1点:まったくコントロールできていなかった

25点|完全にコントロールされている

過去4週間、喘息の症状がなかった状態。現在の治療を継続してください。

20〜24点|良好にコントロールされている

概ね良好ですが、完全ではありません。次回の受診時に医師に伝えましょう。

19点以下|コントロール不十分

喘息が十分にコントロールされていない可能性があります。早めに専門医を受診し、治療の見直しを相談してください。

ACTスコアが19点以下でも、「つらくはないし、まあまあ大丈夫」と感じている方がいます。

そのような状態のまま過ごしてしまうとどうなるのでしょうか?

そのような患者さんの気道には慢性的な炎症が残っています。その炎症が続くと気道リモデリング(気道壁の構造的な変化)が進み、将来的に薬が効きにくくなるリスクがあります。一定のラインを超えて重症化してしまった場合、健康なもとの状態へは戻れなくなってしまうのです。

ACTスコアはあくまでも自己評価のツールです。スコアが低い場合、その原因が吸入薬の種類・量の問題なのか、吸入手技の問題なのか、アレルゲンへの暴露が増えているためなのか、あるいは別の疾患が合併しているためなのかは、専門医による評価が必要です。

FeNO(呼気NO検査)や呼吸機能検査、呼吸抵抗検査を組み合わせることで、ACTスコアだけではわからない気道の状態を客観的に把握し、治療を最適化することができます。

  • ACTスコアを用いた定期的なコントロール評価:受診ごとにスコアの変化を追います
  • FeNO(呼気NO検査):気道炎症の程度を数値で確認
  • スパイロメトリー(呼吸機能検査):気道の状態を客観的に評価
  • 吸入手技の確認・指導:正しく吸入できているかをチェック
  • 治療薬の調整:スコアと検査結果に基づいた最適な治療の選択

⚠ こんな方は一度ご受診を
・ACTスコアが19点以下だった
・発作止め薬を週2回以上使っている
・夜間・早朝に症状で目が覚めることがある
・「症状はないが、本当にコントロールできているか確認したい」
・しばらく定期受診をしていない

喘息は「発作がない=治っている」ではありません。ACTスコアを定期的に記録し、専門医と一緒に状態を確認していくことが、長期的な気道の健康を守ることにつながります。

ACTスコアはどこで入手できますか?

フロントクリニックグループの公式ラインにて行うことができます。

ACTスコアが20点以上あれば受診しなくていいですか?

スコアが良好でも、将来の重症化予防のため薬を継続する必要があり、定期的な受診を継続することをお勧めします。

発作止め薬を週2回以上使っているのは問題ですか?

コントロール不十分のサインです。発作止め薬(気管支拡張薬)の使用頻度が増えている場合は、コントローラー(長期管理薬)の見直しが必要な可能性があります。早めに専門医にご相談ください。

横浜で喘息のコントロール状態を評価してもらえますか?

横浜フロントクリニックでは、ACTスコア・FeNO・スパイロメトリー・呼吸抵抗検査を組み合わせた定期的なコントロール評価を行っています。横浜駅西口から徒歩圏内です。

井上 哲兵(いのうえ・てっぺい)

医療法人社団南州会 フロントクリニックグループ 理事長/医学博士
日本呼吸器学会 呼吸器専門医

2019年4月に医療法人社団南州会 理事長に就任。現在は3院の呼吸器医専門クリニックを要するフロントクリニックグループを運営。

フロントクリニックグループ一覧

【保有資格・所属学会】

  • 難病指定医(呼吸器)
  • 緩和ケア研修会修了医
  • 医学博士
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本呼吸器学会 呼吸器専門医
  • 日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
  • 日本医師会認定産業医
  • 厚生労働省認定 臨床研修指導医
  • 身体障害者福祉法第15条指定医(呼吸器)

参考資料

  • 日本アレルギー学会『喘息予防・管理ガイドライン2024』
  • Global Initiative for Asthma (GINA) Report 2024
  • Nathan RA, et al. “Development of the asthma control test: a survey for assessing asthma control.” J Allergy Clin Immunol. 2004

横浜フロントクリニック 045-577-0121 ホームページ