• 4月 14, 2025
  • 4月 19, 2025

今年度、65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になる方は帯状疱疹ワクチンの助成を受けることができます!

帯状疱疹ワクチンの公費助成が承認され4月より接種希望者が爆増しております。興味はあるけど迷っている人は是非ご一読ください。

1)帯状疱疹とは?

日本人の90%が水痘帯状疱疹ウイルスに感染しています。感染と発症は別問題なので解釈に注意が必要です。感染者の3人に1人が概ね80歳までに発症します。顔や、胸部、腹部、腰部などの左右どちらか一方にぴりぴりとした痛みをまず違和感として感じてきます。その後、赤い斑点と小さな水疱が帯状に現れてきます。ウイルスは体内の神経節という場所に潜んでおり、加齢やストレス、過労などが引き金となり潜んでいたウイルスが再活性化し、帯状疱疹として発症してしまいます。

帯状疱疹で厄介なのは、皮疹が治癒後も同部位に疼痛が残存することにあります。軽い痛みの人から日常生活に支障がでるほどの痛みが生じ、その期間は50歳以上の発症の場合は患者の2割が最低3ヶ月から6ヶ月程度続くとされています。場合によっては数年の場合もあるとも言われています。

また、帯状疱疹はが頭部から顔面に発症した場合 、目や耳の神経が障害されると、めまいや耳鳴り といった合併症がみられることがあります。重症化すると、視力低下や失明 、顔面神経麻痺など 、重い後遺症が残る可能性があります。

2)ワクチンの種類は?

2種類あります。弱毒水痘生ワクチン(ビケン)とシングリックス(グラクソスミスクライン)です。前者は小児の水痘ワクチンとしても使用されているものです。3年目まで51%の発症を予防し5年目まではある程度効果が残るがそれ以降は免疫能力は極端に低下することが報告されています。

一方、シングリックスは接種後3年間の予防効果は97.2%であり、前者と比べるのも申し訳ないくらいの差があります。そしてその持続は現在のところ9年程度は続く事が判明しており、おそらく今後の研究結果の予測としては10年以上は免疫能力が続くと考えられています。また、シングリックスは、仮に発症したとしても重症化することはほとんどないと言う研究結果が得られています。

3)副作用は?

正直、コロナワクチンを乗り越えた方々であれば、それほど気になるようなものではありませんが、注射部位の痛みや倦怠感等がどちらもみられますが、比較的シングリックスの方が報告としては多いです。

4)注射回数は?

弱毒水痘生ワクチン(ビケン)は1回で、シングリックス(グラクソスミスクライン)は2ヶ月あけて2回接種となっています。

5)公費助成の対象者は?

  • 年度内に65歳を迎える方
  • 60~64歳で対象となる方(※1)
  • 令和7年度から令和11年度までの5年間の経過措置として、その年度内に70、75、80、85、90、95、100歳(※2)となる方

(※1)ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方

(※2)100歳以上の方については、令和7年度に限り全員対象となります。

文責:医療法人社団南州会 理事長 井上哲兵

経歴

  • 2003年浅野高校卒業
  • 2009年聖マリアンナ医科大学医学部卒業
  • 2009年4月~2011年3月同大学病院研修医
  • 2011年4月~2015年3月同大学呼吸器内科診療助手兼同大学内科(呼吸器)大学院
  • 2015年4月~2018年3月同大学呼吸器内科助教
  • 2018年4月~2019年3月独立行政法人国立病院機構静岡医療センター呼吸器内科医長
  • 2019年4月聖マリアンナ医科大学非常勤講師医療法人社団南州会理事長
  • 2019年8月三浦メディカルクリニック院長
  • 2024年5月横浜フロントクリニック開院

資格・役職

  • 医学博士
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本呼吸器学会呼吸器専門医
  • 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医
  • 日本医師会認定産業医
  • 厚生労働省認定臨床研修指導医
  • 身体障害者福祉法第15条指定医(呼吸器)
  • 難病法における難病指定医(呼吸器)
  • 緩和ケア研修会修了医
  • アレルギー舌下免疫療法適正使用管理体制に
  • 基づく講義の受講・試験の修了医
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