- 2月 21, 2026
卵アレルギー(鶏卵アレルギー)と卵ボーロの意外な関係性。普通の卵料理は食べられるのに卵ボーロでアレルギー(蕁麻疹など)が出るのはなぜ?卵アレルギーの子供に卵ボーロが超危険な訳。
卵アレルギーがあるお子さんは非常に多いのはご存知ですか?
乳幼児期の食物アレルギーで最も多い原因食物であり、食物アレルギーの原因の約40〜50%を卵が占めると言われています。全人口の割合(有病率)としては乳幼児で最大10 %弱、学齢期でおよそ0.3〜2 %と報告されています。症状は唇の腫れや赤み、全身の蕁麻疹などですが、重症化すると呼吸困難を引き起こすこともあります。年齢とともに耐性ができ大部分は成長とともに克服することが多いです。卵白が原因であることがほとんどですが、卵黄でも反応を示す人もいます。また、鶏卵以外の鳥類の卵はどうかとする研究では、研究室の中の実験では鶏卵アレルギーは七面鳥、ガチョウ、アヒル、カモ及びカモメの卵白と関連があること(交差性がある)が分かっていますが、実際の現実世界では鶏卵アレルギー患者でうずらでアナフィラキシーを起こしたことがあるという報告のみでした。(恐らく、若干の交差性はあるものの、症状を起こすまでの交差性はないということだろうと推察されています。)一方で、鶏卵アレルギーがなくても、うずら、あひる、かもの卵白アレルギーを示す症例も報告されています。魚卵アレルギーとの関係はありません(交差反応はない)。もしアレルギー症状が出たとしたら別々にたまたまアレルギーを持っていたと言うことになります。
さて、本題に入りますが、
卵アレルギー患者において卵ボーロはですね、とっても危ないのです。危険なんですよ。
なぜでしょうか?
卵アレルギーであっても症状が出なければ卵摂取は可能だと言うのはよく知られているところです。卵は加熱するとアレルギー性が低下するのが特徴ですので、生卵はダメでも固茹でなどの調理を行えば普通に摂取できることはよくある事です。除去は必要最低限に留めるのが現代の考え方ですよね。(生卵はダメで固茹ではOKかどうかはアレルギー採血でわかることが多いので気になる方は医師に相談くださいね。)しかし、普段の食事で加熱卵は問題なく食べられている人でも卵ボーロがダメなことがあるのです。それはなぜでしょうか。
卵ボーロはですね、一見加熱してあるからアレルギー性が下がっていそうに思いますよね。違うのです。
卵ボーロはデンプンと卵を混ぜて加熱したものです。
クッキーは小麦と卵を混ぜて加熱しています。
この違いが大事なのです。
なんと、卵はでんぷんと一緒に加熱した場合は卵白のアレルギー性が下がらないのが特徴です。
クッキーはアレルギー性が低下します。(0にはなりませんのでもちろん注意が必要です、、、。)
どれくらいのアレルギー物質が卵ボーロに含まれているかを研究した報告があります。
固ゆで卵1個より卵ボーロ1個のほうが卵白アレルギー物質は約4〜5倍も多いとのデータがあるのです。
固茹で卵1個より卵ボーロたった1個の方が遥かにやばいのです。
下のデータでわかる通り、卵白アレルギー患者の摂取は極めて慎重に行わなければならないのです。というかですね、卵ボーロなんぞは食べなくても人生において何ら問題ありませんから除去でも良いくらいです。もしどうしても食べさせたいのであれば、1日0.5個〜1個程度からスタートして1週間ごとに1個ずつくらいのペースで増やしていき、10個程度食べられるようになったら卵アレルギーはあまり気にしなくても良いことが多いです。(卵アレルギーと診断されている方は医師の指示通りに行なってください。)

卵ボーロは危険なことがあると言うことは知っておかなくてはなりません。
アレルギーがあるやもしれませんので卵ボーロを他人のお子さんにあげるのはやめましょう。お菓子交換をする可能性があるので遠足などには持たせないようにしましょう。
引用;
伊藤節子. 食物アレルギー患者指導の実際. アレルギー. ;58(11):1490–1496
執筆者情報
井上 哲兵(いのうえ てっぺい)医師
医療法人社団南州会 フロントクリニックグループ 理事長 / 医学博士
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
2019年4月に医療法人社団南州会 理事長に就任。同年8月に三浦メディカルクリニックを開院し、以降も以下のクリニックを展開。
横浜フロントクリニック(2024年5月開院)
東京品川フロントクリニック(2026年1月5日開院)
目黒区分院(2026年9月開院予定)
新宿区分院(2027年12月開院予定)
【保有資格・所属学会】
緩和ケア研修会修了医
医学博士
日本内科学会認定内科医
日本呼吸器学会 呼吸器専門医
日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医
日本医師会認定産業医
厚生労働省認定 臨床研修指導医
身体障害者福祉法第15条指定医(呼吸器)
難病指定医(呼吸器)