• 11月 17, 2024

喘息患者はのペット飼育について!愛しているからこそ距離を置くという選択を。

今週は、法人理事長、井上の書籍『ぜんそくと診断されたら読む本』からペットと喘息についての記事を抜粋して掲載したいと思います。

イヌやネコなどのペットを家族の一員としてかわいがられている人は多くいます。しかし、
そんなかわいいペットもアレルギーの元になります。それだけでなく、家の中にペットがいる
ことで、ダニが繁殖しやすくもなります。ペットが原因でぜんそくを悪化させているケースは
非常に多いので、家の中でペットを飼う場合はいま一度、ルールをしっかり決める必要があり
ます。
 いちばん大切なのは、ペットを寝室に入れないことです。私は患者に「寝室には絶対にペッ
トを入れないでください」と伝えています。中にはイヌやネコと一緒に布団で寝ている人もい
ます。しかし、一緒に寝ていれば、ペットのフケが布団に落ちます。落ちたフケを餌にダニが
繁殖していきます。一緒に寝ていなくても、ペットが布団の上を歩いたり、丸まったりしていても同じです。そのため、寝室には動物を絶対に入れないでほしいのです。さらに、「あなたがお風呂に入って清潔なパジャマに着替えたあとは、ペットを抱っこしたり、なでたりしないでください」とも伝えています。ペットを寝室に入れなくても、パジャマにペットの毛やフケが付いたまま寝てしまったら、結局は同じことになってしまうからです。

 ペットを室内で飼う場合は、ペットが入ってもいい部屋を決めます。そして、空気清浄機を
ペットがいる部屋に1台、寝室周りに1台、最低2台は設置して、空中に浮遊しているペット
のアレルゲンをキャッチするようにします。イヌやネコのアレルゲンはとても粒子が細かく、
いったん空中に浮遊すると数時間滞留します。その浮遊しているアレルゲンは、皆さんが家の
中で移動するたびに空気の流れに乗って、違う部屋へとどんどん拡散されています。空気清浄
機はさまざまな種類がありますが、一般的によく使われているHEPAフィルターが入ってい
れば、ペットの毛やアレルゲンなどの微細な粒子を捕集できます。
また、イヌやネコを室内で飼っていると、床にはたくさんの毛が落ちていますので、こまめ
に掃除機がけをして除去します。ペット自身をこまめに風呂に入れてあげたり、トリミングを
したりして清潔に保つことも必要です。

 ペットは大切な家族の一員だからこそ、しっかりとこのようなルールを決めて守って飼うよ
うにしてほしいと思います。かわいさが勝って、寝室に自由に出入りをさせて、布団で一緒に寝たりしていると、あとあと、ぜんそくが悪化してしまいます。最悪のケースとしてペットを 飼い続けることが難しくなってしまうこともあります。ペットとどのように暮らしていくかは、 家族を含めて、話し合いや相談をすることが必要です。
医師の立場からいうと、動物にアレルゲンがある人はペットを飼うことは控えることが第一 選択肢になります。特に毛がたくさん抜けるイヌやネコ、ウサギ、モルモット、ハムスターな どは避けるべき動物です。中でもウサギは特に毛が抜ける量が多いので注意が必要です。どう しても動物を飼いたいという人は、毛が抜けにくく、フケも少ない種類を選ぶことが必要です。 イヌならプードルがおすすめです。
 
 現在イヌやネコなどの動物アレルギーがなくても、いつ発症するか分かりません。飼い始め たときには症状がなかった人が、数年後にアレルギーを発症することは十分あり得ます。ぜん そくの原因がそのペットとなってしまった場合、ペットと接触の機会を減らさなければならな くなります。ペットを手放すのは、簡単なことではありません。そのことを十分に考えてから、飼うかどうかを決めてほしいのです。

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