• 9月 21, 2024

あなたのその咳はただの風邪ではないかもしれません。放置してはいけない咳かも!? 2から3週以上続く咳は精密検査が必要です。

横浜フロントクリニックの運営母体である医療法人社団南州会理事長の井上が執筆致しました『ぜんそくと診断されたら読む本』から、長引く咳についての項目を抜粋致しました。お時間があるときにご一読ください。

咳が出る症状には、さまざまな病気の可能性が含まれています。なかでも風邪とよく間違われるのがこのぜんそくです。ぜんそくは、咳が2週間から3週間続いたあと、一時的に改善することがあります。しかし、 しばらくすると再び咳が出てきます。

このような咳のパターンが周期的にみられるため、多くの人は、また風邪をひいた、治ったと思ったら風邪がぶり返した、と考えてしまいます。そして、ぶり返したとしても、ただの風邪だからまたすぐに治るだろう、と軽く考えてしまうのです。この思い込みが、ぜんそくを放置してしまう原因となります。

さらに、ぜんそくの咳は、日中は治まり、夜間に悪化するという特徴があります。咳が治まっている日中に病院を受診しようとはなかなか思いにくいものです。咳がひどい夜間は、明日は病院に行こうと考えても、翌日には、前日の夜の咳が嘘のように軽くなり、元気になります。そのため、もう大丈夫だと自己判断して受診予定をやめてしまうのです。夜になると再び咳が出るのですが、翌日午前中にはまた軽くなります。こんな日を繰り返しながら、ずるずると毎日を過ごしている人が、本当に多くいるのです。

こうして風邪と思い込んで放置してしまったぜんそくは、やがて耐え難いほどの咳や発作となって襲ってきます。呼吸器内科である私のクリニックには、この状態になってあわてて駆け込んでくる人が実に多くいます。しかし、最初は一般内科で風邪と誤った診断を受けてしまう場合があります。一般的に内科には、ぜんそくを調べる専門的な検査環境が整っていないことが多いからです。

問診だけでぜんそくを診断することは難しく、風邪扱いされてしまうこともあります。多くの患者様が適切な治療を開始するまでに、本当に長い時間を要し、多くの苦しみや不安を味わわなければならなかったことは非常に残念なことだと思います。しかしながら、ぜんそくと正しく診断されないまま、適切な治療が提供されず、進行・重症化していくケースは決して珍しくはないのです。ぜんそくの咳には次のような特徴があります。

・咳が2週間から3週間続く

・咳は夜になると悪化する(日中は治まっている)

・呼吸をするとヒューヒュー、ゼーゼーと喘鳴がする

・咳が出る季節が決まっている……。

などなどです。いつもの咳がこれらのいずれかに当てはまるようであれば、ぜんそくを疑って、呼吸器専門医がいるクリニックや病院などを探す必要があります。単なる風邪だと思って放置しておくと、取り返しがつかないことになってしまいます。また、未治療のぜんそくでは、患者の重症度を発作の程度や頻度、症状によって表のように 4つのレベルに分類しています。患者さんによっては、クリニックに来たときにすでに重症持続型の状態の事も少なくありません。 もう少し早い段階で治療を始めることができていればあれほど苦しむことはなかったのにといつも思います。 実は、私どものクリニックに来る患者のほとんどが、軽症ではなく、すでに症状が毎日ある中等症持続型か重症持続型です。軽症持続型のレベルでは、多くの人が風邪、花粉症、鼻炎などと思い、ぜんそくとは結びつけて考えることはないのです。治療の遅れは治療の難度を高めます。専門医としては、もっと早く受診してほしかったと思わずにはいられません。

また、当院では咳の原因を大学病院級の検査機器である80列CT検査や呼吸機能検査、呼気NO検査、アレルギー検査などを行い、正確に診断致します。

咳の原因となるその他の疾患、肺癌・間質性肺炎・COPD(慢性気管支炎や肺気腫)・コロナ感染後の長引く咳などをCT検査等で確実に診断・除外をしてまいります。他院で喘息と診断され治療を開始されて半年経っても改善されずに当院を受診し、CT検査で実は肺癌でしたということがままある為です。

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