• 2月 15, 2025
  • 4月 27, 2025

愛犬家ほど健康になる!?

国立環境研究所と東京都健康長寿医療センター研究所が発表した愛犬家必見の論文が「PLOS One」11月に掲載されましたので共有したいと思います。

この論文は、一般社団法人ペットフード協会が2023年に実施したインターネット調査のデータを用いて行われました。20~79歳の日本人で犬猫飼育者1683人が回答しており、その中の犬を飼っている1041人を対象に犬への愛情の深さと身体活動性の関連性(犬の散歩の頻度など)について解析しました。

飼い犬への愛情の強さの評価には、既存の質問票(the CENSHARE Pet Attachment Survey)を用いています。この質問票は本来27の質問から構成されていますが、本論文は短縮版の6つの質問で行っています。最大スコア24点で回答を評価し、点数が高いほど愛着が強いと判定しています。本研究の対象者の平均値は18.8点でした。皆様もぜひ行ってみてくださね

各質問4点満点です。

1が全くない 2が時々 3がしばしば 4ほとんどいつも

質問1:1日の中でどのくらいの頻度でペットと遊んだり運動したりしていますか?

質問2:あなたのペットは、あなたの機嫌の違いに気づくことがありますか?

質問3:あなたが帰宅したとき、ペットが最初に出迎えるのはどれくらいの頻度ですか?

質問4:嫌なことがあったとき、ペットに慰めを求める頻度はどれくらいですか?

質問5:ペットを家族の一員だと思う頻度は?

質問6:勉強したり、本を読んだり、テレビを見たりするとき、ペットをそばに置くことはどれくらいありますか?

いかがでしょうか。英語論文でしか原文が見つからなかったので実際の日本語と異なるかもしれませんが、大体合ってると思います。(井上の翻訳につき多少のブレはご容赦ください。)

一方でもう犬の散歩の頻度を質問し、1日に2回以上、1日に1〜2回、週に3〜7回、または週に3回以下の4つのグループに分類したところ、1日2回以上が25.1%、1日1回〜2回が3.8%、週3回〜7回が45.8%、週3回未満が25.3%でした。

これらのデータを総合して解析したところ、犬への愛着が強いほど散歩の頻度が高いことが明らかになりました。

論文では犬への愛着の強さが、散歩などの運動習慣につながり、その結果、飼い主に健康障害が発生するリスクが低下すると考えると結論づけています。

なんだか当たり前な結果な気もしますが、ぜひ愛犬と一緒に散歩をして健康増進に努めましょう!

文責:医療法人社団南州会 理事長 井上哲兵

経歴

  • 2003年浅野高校卒業
  • 2009年聖マリアンナ医科大学医学部卒業
  • 2009年4月~2011年3月同大学病院研修医
  • 2011年4月~2015年3月同大学呼吸器内科診療助手兼同大学内科(呼吸器)大学院
  • 2015年4月~2018年3月同大学呼吸器内科助教
  • 2018年4月~2019年3月独立行政法人国立病院機構静岡医療センター呼吸器内科医長
  • 2019年4月医療法人社団南州会理事長/聖マリアンナ医科大学非常勤講師
  • 2019年8月三浦メディカルクリニック院長
  • 2024年5月横浜フロントクリニック開院

資格・役職

  • 医学博士
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本呼吸器学会呼吸器専門医
  • 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医
  • 日本医師会認定産業医
  • 厚生労働省認定臨床研修指導医
  • 身体障害者福祉法第15条指定医(呼吸器)
  • 難病法における難病指定医(呼吸器)
  • 緩和ケア研修会修了医
  • アレルギー舌下免疫療法適正使用管理体制に基づく講義の受講・試験の修了医
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